なぜ、鍵屋さんになったんですか?

お客さんからよく質問されます。

田舎生まれ田舎育ちの私の若い頃は就職氷河期で、日雇いのアルバイトにさえありつけない状態でした。

どこの企業の正社員、アルバイトの面接に行っても実務経験者でないと雇用できないと。

高校を卒業したばかりの人間に経験を求めるってどういうことですか?

ちなみに私は高卒です。

当時、若くてなんの知識もお金もない私はどうする事もできなく時間が過ぎていきました。

このままでは何も変わらないと思い、資格試験オールガイドという分厚い本を見つけこんな現状の自分でも受験資格がある資格を探しました。

鍵を扱う専門家 鍵師 受験資格は日本国籍であることのみ。

まさしく手に職。職人。専門家。

更に鍵関係の就職先を資格の運営をしている協会が斡旋してくれるとのこと。

コレしかないと感じました。

鍵師の協会は東京なので、生まれ育った田舎から上京。

東京の人数の多さ、人間の歩くスピードに圧倒されながらも協会の講習を受け無事鍵師資格を取得。

その後、東京中野区の鍵屋に正社員で3年雇用していただきました。

3年間はあっという間でした。

鍵屋としての技術はもちろん、営業、経理などお店を運営するノウハウを学ばせてもらい本当に感謝しかありません。

入社前は誰にも必要とされていないと感じ、自信を失っていました。

鍵屋として働くと、年代も性別も状況も様々なお客さんから鍵のことで困っている(鍵のトラブル)と連絡をいただきます。

鍵のトラブルを解消するとお客さんは喜んでくれます。

こんな自分でも誰かのためになることができるんだって思い、仕事へのやりがい、自信を取り戻し必死に働きました。

しかしそんな中リーマンショックがおこります。

不景気になり鍵の仕事が取りづらくなり、中野区の鍵屋さんを退社して田舎に戻ります。

また、田舎で就職活動です。

田舎も不景気の為、仕事がありません。

鍵屋の求人も探しましたが1つもなかったです。

この時は知りませんでしたが田舎の鍵屋さんは、一人親方がほとんどです。

ないならつくろう。

今なら技術も知識も自信もある。それにまだ若かったのでパワーもありました。

自営で鍵屋を始めました。

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